慢性膵炎に対する看護と観察項目や主な看護目標を知ろう!

慢性膵炎患者の看護

慢性的に膵炎が経過すると、組織の線維化、内外分泌組織の破綻など器質的にも機能的にも変化をきたした状態になる。慢性膵炎は、膵機能が保持されている否かによって代償期と非代償期とに分類される。

慢性膵炎の詳しい疾患理解については、下記を参考にして下さい。

慢性膵炎に対するアセスメント視点と観察項目

  • 全身状態:バイタルサイン・倦怠感・水分出納バランス・高血糖症状
  • 栄養状態:体重の変化・皮下脂肪厚
  • 疾患に伴う症状:①腹痛:部位・程度・出現時間・持続時間、放散痛、②消化器症状:吐きけ・嘔吐・腹部重圧感・腹部膨満感、③黄疸:黄類の有無・程度 随伴症状の有無と程度
  • 排泄の状況:回数・性状
  • 食事の摂取状況:食欲の有無、回数・量・内容、アルコール飲料の摂取の有無
  • 検査データ:①血液検査:白血球数・ヘマトクリット・血液尿素窒素・カルシウム・アミラーゼ・血糖値・HbA1c・AST・ALT・総ビリルビン・総タンパク質・アルブミン)、②尿検査:尿糖・尿中アミラーゼ、③画像検査:超音波検査・腹部X線検査・CT・ERCP・MRCP、④膵機能検査:セクレチン試験・BT-PABA試験、⑤内分泌検査:空腹時血糖値・75g OGTT
  • 患者の訴え、不安やストレスの有無、低血糖症状の体験の有無

慢性膵炎に対する主な看護目標

  1. 苦痛を緩和し、合併症や悪化を予防する。
  2. 治療に積極的に参加できる。
  3. 病状に合わせた生活を理解して実施することができる。

慢性膵炎に対する看護活動

苦痛の緩和

急性増悪することで急性膵炎同様の疼痛を験することがある。苦痛の緩和に対しては、急性膵炎に準じる。急性増悪への移行を防ぐために、疼痛の変化を含め全身の観察が必要とされる。

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慢性膵炎患者への食事指導・生活指導

急性膵炎の項で述べたようにアルコール飲料の摂取を断ち切ることが重要である。また、喫煙も膵炎との関係が強いため禁煙の指導が必要である。アルコール飲料の摂取や喫煙は精神的なストレスとの関係もあるため、禁酒・禁煙の指導には患者の理解を促すような丁寧な説明が必要とされる
代償期の食事は、規則正しい食事で脂肪摂取を1日30g以下とし、良質なタンパク質を摂取するよう指導する。加えて、胃酸の分泌を刺激するカフェイン飲料・炭酸飲料・香辛料などの嗜好品もなるべく制限する。過労や睡眠不足、精神的なストレスを避けるよう生活面の指導も行う。
非代償期に入ると膵内分泌機能が低下する。すなわち、糖尿病が発症するため、食事のエネルギー制限を行う糖尿病の治療にはインスリン注射が基本となるため、自己血糖測定とインスリン皮下注射の指導も必要とされる。慢性膵炎に合併する糖尿病は、グルカゴンの分泌も低下するため低血糖になりやすいのが特徴である。血糖値の変化にも留意できるよう、低血糖症状時の特徴の理解と対処方法もあわせて指導する。

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