胆汁ドレナージを受ける患者の看護と観察項目や主な看護目標を知ろう!

胆汁ドレナージを受ける患者の看護

胆汁ドレナージは、次の目的で行われる。

  • 胆道結石・胆道腫瘍による胆道の閉塞や狭窄によって胆汁の流出が妨げられ閉塞性黄疸を生じている場合(減黄処置)、または生じる危険性がある場合に行われる。
  • 胆汁のうっ滞による胆道内圧上昇の減圧をはかる。
  • 手術後に遺残結石が多い場合は、結石を体外へ排出する。
  • 感染胆汁を体外へ排出する。

Cチューブ・Tチューブを用いたドレナージ、経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)、経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)などが代表的なものである。ドレナージの目的を達成し、逆行性感染や胆汁性腹膜炎などの合併症をおこさないように管理する。

胆汁ドレナージを受ける患者のアセスメント視点と観察項目

  • 全身状態:バイタルサイン、水分出納バランス、電解質の変動に伴う症状(たとえば代謝性アシドーシス)
  • 胆汁の流出状況:排液の量・性状、混入物(血塊など)、色調、黄疸との関連、便の色調
  • 胆汁漏の有無:胆汁性腹膜炎症状(筋性防御・腹部膨満・腹痛・嘔吐・腸蠕動運動・排ガス・排便状態)、ドレーン・チューブ周囲の皮膚の状態
  • 検査データ:炎症所見(白血球数・C反応性タンパク質)、血液生化学検査(ナトリウム・カリウム、肝機能、直接ビリルビン)、尿検査(ウロビリノーゲン・ビリルビン)
  • ドレーン・チューブの管理:①固定状態:テープのはがれ、ドレーン・チューブへの張力、②ドレーン・チューブの圧迫・屈曲・捻転、③ドレーン・チューブ内の空気(エアブロック)、④排液ボトルの位置

胆汁ドレナージを受ける患者の看護目標

  1. 胆汁ドレナージが目的達成に向けて効果的に行われる。
  2. 胆汁ドレナージの必要性が理解される。
  3. 胆汁ドレナージ中の苦痛が最小限に抑えられる。

胆汁ドレナージを受ける患者の看護活動

  1. ドレーン・チューブが抜けないように、腹壁にしっかりと固定する。固定の際は、張力が加わっても抜去しない工夫をはかる。
  2. ドレーン・チューブの圧迫・屈曲・捻転などに注意し、訪床ごとに確認する
  3. 胆汁の流出状態を観察する際には、量・性状の変化とあわせてドレーン・チューブ内の血塊・空気の有無と詰まり、および黄疸・便の色調・尿の色調・腹部症状の観察を行い、効果的なドレナージが行われているかを確認する
  4. 胆汁ドレナージ中は患者の行動は制限がないため、排液ボトルが体幹より下方に位置するように指導し、適宜、逆流防止の確認を行う
  5. ドレナージが不良となった場合は、すみやかに医師に報告する。
  6. 胆汁がドレーン・チューブ周囲の皮膚に漏出している場合は、適宜、消毒を行って清潔保持に努める。
  7. 胆汁の体外排出に伴って電解質が変動するため、血液検査データにも留意して代謝性アシドーシスを予防する
  8. 輸液を行っているときや禁飲食中は水分出納バランスに注意し、脱水を予防する
  9. Tチューブ・Cチューブは、ともに自然の流出経路、十二指腸への排出を増やすためクランプを行う。その際、黄疸とそれに伴う症状と胆汁性腹膜炎の症状、炎症所見を観察する。チューブ・ドレーンを抜去したのち、通常1日以内で瘻孔は閉鎖するが、クランプ時と同様の観察を数日行う。
  10. 胆汁ドレナージ中も日常生活が不便のないように、排液ボトルを携帯しやすいように工夫する。また、排液ボトルが人目にふれプライバシーを侵害しない工夫も必要とされることがある
  11. 退院後もドレナージが必要な患者には、胆汁処理の方法や食事指導(胆汁が消化管に流出しないため、脂肪を控え、消化のよい食品や摂取方法を工夫する)を行う。黄疸・発熱・胆汁の流出不良を確認したときは、受診をするように説明する。

関連記事

  1. 食欲不振と体重減少に対する看護と観察項目や看護目標を知ろう!

  2. 肝炎のウイルスマーカーの選択と比較

  3. 胃がん患者の手術前・手術後・回復期における看護と観察項目や看護目標

  4. 大腸がん(結腸がん・直腸がん)回復期の看護と観察項目や看護目標

  5. ポリープとポリポーシスの違いとがんへの潜在能

  6. 胃炎の原因とは?慢性胃炎と急性胃炎の症状

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。