胆石発作時の看護
胆石症は肝内胆管・総胆管・胆嚢などに結石が生じて疼痛発作・発熱・黄疸と、心窩部痛・背部痛・嘔気・嘔吐など、病態と存在部位によって多様な症状を呈する。結石が生じている部位や、結石が総胆管へ移動した場合は閉塞性黄疸を併発しやすいなどの病態を理解して看護にあたる。とくに急性期は激しい疼痛を生じるため、疼痛緩和は重要である。治療は絶食にして、胆汁の排泄を抑制することで疼痛発作を予防する。
胆石症の症状に対する看護の方法をcheck!!
・嘔気・嘔吐に対する看護と観察項目や看護目標
・黄疸に対する看護と観察項目や看護目標
胆石症の詳しい疾患の理解については、下記を参考にして下さい。
胆石発作時のアセスメント視点と観察項目
- 胆石:発生部位・大きさ
- 疾患に伴う症状:①疼痛:部位・程度・性状、放散部位の有無、食事との関係、体動との関係、②黄疸・黄疸の程度、皮膚の雇痒感、倦怠感、尿の色調、③消化器症状・腹痛・吐きけ・嘔吐・食欲不振、④バイタルサイン:熱型・呼吸(3)誘因:過食・過労・ストレス
- 排便状態:色調・性状・回数
- 検査データ:①血液検査:白血球数・C反応性タンパク質、②肝機能検査、膵機能検査、栄養状態(BMI など)、③画像検査:超音波検査・CT・胆道造影・経皮経肝胆道造影・内視鏡的逆行性胆管造影など
- 治療内容:薬物療法、経皮経肝胆道ドレナージ
- 水分出納バランス
- 疼痛発作時の患者・家族の不安
胆石発作時の主な看護目標
- 疼痛発作時の苦痛が最小限に抑えられ、心身の安楽を得ることができる。
- 患者の不安が軽減される。
- 異常を早期に発見することで、合併症を予防する。
胆石発作時の看護活動
疼痛の緩和
患者が最も安楽である姿勢がとれるよう工夫や、冷署法を行う。激しい疼痛から恐怖心も増強する。そのため、疼痛発作時には安心できるような声かけに努める。
胆石発作時の早期発見
疼痛の部位・程度・性状、放散部位の有無と黄疸の症状を含んだ全身状態を観察することで、異常の早期発見に努める。また、胆石症は胆嚢炎や胆管炎を併発することが多いため患者の苦痛は増大する。急性胆嚢炎や胆管炎などの併発しやすい疾患の症状も含めて観察する。
二次感染の予防
黄疸の合併に伴って抵抗力が低下する。胆汁をドレナージしている場合は、逆行感染を予防する管理が必要である。
胆石発作患者への食事指導・生活指導
疼痛を回避するため、疼痛発作時は禁飲食とする。このことを患者に十分説明し、協力を得て治療効果を高める。また、寛解期には疼痛発作を避けるために適度の脂肪制限、過労の回避、肥満例では減量を指導する。
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