動脈瘤患者の看護とアセスメントや観察項目、看護目標を知ろう!

動脈瘤患者の看護

動脈瘤は、動脈壁の変性により、動脈が異常に拡張し、腫瘤状になったもの をいう。部位によって、胸部大動脈瘤・腹部大動脈瘤などに分類される(「大動脈瘤」を参考に)。初期は無症状であるが、瘤が大きくなり周囲組織を圧迫すると、胸部大動脈瘤では圧迫痛・咳・鳴声・食道圧迫による嚥下困難が出現する。腹部大動脈瘤では、腹部膨満感や腹痛、椎骨や脊髄神経の圧迫により背部痛や腰痛が出現する。解離性動脈瘤は、動脈壁の内部に亀裂が生じ、そこから血液が中膜の層間に進入してできたものであり、激痛を伴う。死の恐怖を伴うような激烈なものであり、背部や腹部、腰部に進展する。解離が大動脈の分岐を圧迫あるいは閉塞すると、圧迫された側の脈拍は触れにくく切迫破裂や心タンポナーデ、大動脈弁閉鎖不全、虚血症状を伴う場合には、緊急手術の適応となる。内科的治療では、薬物療法による十分なコントロールと安静が行われる。近年は血行再建術も行われている。

動脈瘤患者のアセスメントと観察項目

自覚的な症状
(1)疼痛:部位、性質、持続時間など
(2)周辺器官・臓器への圧迫症状:
  ⓵.胸部大動脈瘤(気管への圧迫症状[咳嗽]、反回神経への圧迫[嗄声]、食道圧迫による嚥下困難など)
  ⓶.腹部大動脈瘤(腹部膨満感や腹痛、椎骨や脊髄神経の圧迫により背部痛や腰痛など)
診察所見および検査データ
(1)血圧測定:左右差
(2)脈拍測定:脈圧、測定可能部位の確認、左右差
(3)X線検査・超音波検査・MRI・CT・大動脈造影検査
生活習慣など
(1)血圧上昇をもたらす誘因に対する日常生活の過ごし方
(2)食習慣
(3)喫煙習慣や飲酒習慣
(4)心理的状態

動脈瘤患者の看護目標

血圧のコントロールにより動脈瘤の進展や破裂が予防され、状況に応じた適 切な治療が迅速に受けられることを目標に援助を行う。

動脈瘤患者の看護活動・方法

異常の早期発見

瘤の破裂や解離の危険性があることをつねに念頭におき、疼痛やその他の訴え、血圧や脈拍などのバイタルサインの変動に留意し、ショック症状の予防と早期発見に努める。緊急の対処として輸液・輸血が必要となり、緊急手術に対して迅速に準備を行う。血圧の確実な投薬を行い、腹圧をかけないように、咳や努責に注意する。便秘がなくても緩下薬のコントロールが行われる。そのほか血圧を上昇させる要因の除去・緩和については、高血圧症患者の看護に準じる。

心理的援助

動脈瘤は、緊急手術の適応になることも多く、解離性大動脈瘤の発症では強い痛みを伴い、解離の状態によっては死亡率の高い疾患である。患者・家族への心理的援助は重要である。

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