弁膜症(感染性心内膜炎)の看護とアセスメント、観察項目、看護目標を学ぼう!

弁膜症(感染性心内膜炎)患者の看護

心臓には、4つの弁があるが、弁に傷害が起こり血流が異常となり、心機能に障害が起こったものを弁膜症とよぶ。看護においては、弁の障害により生じた心不全の状態や、おこりうる症状を理解して援助を行っていくこと、人工弁置換術などの外科的治療を受ける場合には、合併症をおこさず早期に回復できるように周術期を通してはたらきかけていくことが重要である。
弁膜症の原因として先天性や動脈硬化性のものなどがあるが、ここでは心内膜の細菌感染による感染性心内膜炎について述べる。弁膜の感染巣による菌血症は、弁膜症や人工弁置換後の患者で危険性が高い。
感染性心内膜炎は、高熱の発熱や悪寒、発熱に伴う脱水や食欲不振など全身的、かつ重篤な症状をもたらす。患者は、心臓の機能低下により心不全の状態に陥る危険性が高い。また、心内膜の感染部位では死腫が形成され、その一部がはがれることにより膵梗塞・肺梗塞・腎梗塞などの塞栓症を引きおこす危険性もある。看護師は患者にもたらされる症状や治療による苦痛を緩和し、二次的な合併症の予防や早期発見に努め、回復に向けた援助を行っていく。

弁膜症(感染性心内膜炎)のアセスメント・観察項目

 自覚的症状の把握
(1)発熱・悪寒
(2)全身倦怠感
(3)関節痛
(4)食欲不振
(5)体動に伴う息苦しさの有無
(6)咳・血痰の有無:肺水腫・肺梗塞の疑い
(7)痛みの有無と部位、上腹部痛(膝梗塞)、側腹部痛(腎梗塞)など
 他覚的所見
(1)熱型(1日の変動、解熱薬の反応)
(2)心拍数・脈拍数・不整脈の有無
(3)血圧
(4)呼吸数、呼吸リズム
(5)皮膚粘膜の状態:口腔内の乾燥(脱水症状)、点状出血や手足指先の結節形成(オスラー結節)
(6)水分出納量
(7)食事摂取量
 診察所見、検査、データ
(1)血液学的検査
(2)尿検査
(3)心雑音
(4)血液培養による起因菌同定
(5)胸部X線検査
(6)心エコー図

弁膜症(感染性心内膜炎)の看護目標

(1)感染性心内膜炎に伴う症状による苦痛が緩和する。
(2)感染性心内膜炎に関連した合併症をおこさずに、早期に回復する。

弁膜症(感染性心内膜炎)の看護方法

全身状態の観察

患者の感染症状は重篤であること、心不全の合併や梗塞などの二次的合併症の危険性も高い状態であることをふまえ、アセスメントであげた訴え、表情の観察を行う。

苦痛の緩和

患者は高熱が持続し、倦怠感も強い。また処置や検査も頻繁に行われる状態である。看護師は検査や処置が手際よく行えるように援助する。患者の発熱状況や解熱薬の使用時間、睡眠時間などから、患者の安静を保てるようにケアや処置の再調整を行う。倦怠感などの症状については、患者の状態に合わせた対症的なケアを実施する。なによりも患者の訴えや表情から苦痛を読みとり、あたたかい態度や言葉で接し、看護師がそばにいる、見まもっているという安心感を患者に与えることができるように接していくことが重要である。

安静の保持

安静は患者の心仕事量を軽減し、体力の消耗を防ぐ。呼吸器症状などの合併がある場合は、起座位での安楽な体位を工夫するなど、患者の状態をふまえた女楽の保持に努める。また、褥瘡や血栓形成などの安静に伴う合併症を予防するために、可能な範囲で日常生活活動などの身体活動性の維持や、褥瘡予防にむけて体圧分散用具の使用などを取り入れる。

治療への援助

通常は大量の抗生剤が使用され、血中濃度を一定にするために 24時間の持続投与が行われる。看護師は的確な与薬が行われるように実施する。

感染の予防

悪寒・発熱・発汗などの感染症に伴う症状が強く持続し、抗生剤の使用に伴う菌交代現象もおこりやすい状態である。全身清拭、口腔内のケア、陰部のケアを頻回に行い、皮膚や粘膜の清潔を保つ。また清潔へのケアは全身の状態を観察する重要な機会である。

栄養と水分の補給

患者は発熱による体力の消耗が激しく、食欲も低下している。良質なタンパク質を補給し、必要な水分摂取ができるだけ行えるよう、患者の摂取しやすい形態での食事内容や飲み物の種類や温度など、可能な範囲での工夫を行う。

予防への援助

弁膜症の基礎疾患がある場合や、人工弁置換術後の患者には、感染性心内膜炎の早期発見、予防のための指導を行う。1週間以上の発熱や感冒のような症 状が持続する場合は、早期に医師と連絡をとり、適切な処置を受けるように指導する。

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