血行動態モニタリングを受ける患者の看護方法やアセスメントについて

血行動態モニタリングを受ける患者の看護

血行動態モニタリングは、おもに手術直後や重症患者の心機能を正しく評価 する目的で行われる。心機能の決定要素は心拍数・前負荷・後負荷・収縮力であり、血行動態のモニタリングによって、これらの心機能の要素に関する評価を行うことができる。
血行動態のモニタリングのおもな方法には、
⓵.スワン-ガンツカテーテル(肺動脈カテーテル)による測定、
⓶.観血的動脈圧測定、
⓷.中心静脈カテーテルによる測定があげられる。

血行動態モニタリング患者のアセスメント

血行動態モニタリングの測定値は、心機能のなにを評価しているのか、そして異常の場合はどのような状態が考えられるのかについて、おのおのの値の関連性を把握しておく。得られる値から現在の患者の循環状態を把握し、回復の見通しや今後おこりうる危険性を考えて、看護支援につなげていく。そのためにはモニター機器の測定値から患者の状況を把握していくことが重要であり、またモニターやライン類の管理を確実に行うことも大切である。

血行動態モニタリング患者の看護活動

スワン-ガンツカテーテル(肺動脈カテーテル)
スワン-ガンツカテーテル(肺動脈カテーテル)は、右房圧・右室圧・肺動脈圧・肺動脈楔入圧などの評価を行うことができる。また端子を用いて混合静 脈血酸素飽和度(Svo2)を測定したり、コンピュータ解析を行うことで心拍出量を測定することも可能である。
合併症には不整脈・肺動脈損傷・肺梗塞があげられる。呼吸状態を観察し、咳や痰などの呼吸器症状や、心電図に致死的な不整脈の出現がみとめられないかについて、経時的に観察して異常の早期発見に努めることが大切である。カテーテル挿入部位は清潔に保ち、感染に留意する。

評価する項目については以下があげられる。
(1)右心機能の評価:
中心静脈圧、右心房圧から評価する。
(2)左心機能の評価:
肺動脈拡張期圧、肺動脈楔入圧(PAWP)から評価する。PAWPは、肺動脈末梢にカテーテルを模入させると、右心系と肺による影響が遮断されるため、左心機能がより正確に反映される。
(3)心拍出量:サーモダイリューション-カテーテルを挿入して熱希釈法により患者のベッドサイドで測定できる。
(4)混合静脈血酸素飽和度(Svo2):
肺動脈血(上大静脈・下大静脈・冠状静脈洞からの静脈血である)の酸素飽和濃度をはかる。正常は70~80%であり、70%未満では心拍出量の減少を疑う。

観血的動脈圧モニタリング

動脈に直接カテーテルを挿入して、動脈圧を測定する。動脈血ガス分析用への採血もしやすい。収縮期血圧と拡張期血圧の動きのみならず、脈圧の変化にも注意する。
橈骨動脈に挿入するときには、アレンのテスト)を行い、尺骨動脈からの血流が保たれているかを確認することが望ましい。動脈圧モニタリングを行っている場合は、聴診法での計測を行って大きな差がないことを確かめ、波形の確認をして正しくモニターされていることを確認する。ラインの屈曲がないか、また正しく挿入されているかを確認する。不完全な場合は動脈閉塞をおこしたり、穿刺部やラインのずれにより大出血をきたしたりすることもあるため、つねに目にふれるように注意して監視する。

中心静脈圧の測定

中心静脈にカテーテルを挿入し、マノメータにより中心静脈圧(CVP)を測定する。中心静脈圧は右心系の前負荷を示す指標である。輸液の過剰や右心不全などによって CVPは上昇し、脱水や出血性ショックによって低下する。カテーテルの挿入に伴い感染がおこりやすいため、清潔操作に留意して管理を行う。発熱や悪寒などの感染症状があらわれた場合は、すぐに医師に連絡をする。

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