脳炎の症状や検査を知り、治療方法を学ぼう!

脳・神経系の感染症には、脳そのものをおかす脳炎、脳をおおって 膜の炎症をきたす髄膜炎がある。細菌・ウイルス・真菌など各種の病因となりうる。病原体の特定と、適正な抗菌薬の使用が重要である。

脳炎について

脳炎は、種々の病原体の感染によって脳組織の炎症をきたすものである。狭義には脳実質に限局する炎症をいうが、実際には脊髄や髄膜の炎症を伴う髄膜脳炎との区別が困難なことが多い。経過によって急性、亜急性、慢性の脳炎に分類される。直接の病原体の感染によるもの以外に、免疫反応の異常からおこるワクチン後脳炎、感染後脳症などの二次性脳炎(急性散在性脳脊髄炎)もある。
最も多いのはウイルス性の急性脳炎であり、単純ヘルペスウイルス・エンテ ロウイルス・日本脳炎ウイルスのほか、ムンプス、麻疹、水痘・帯状疱疹、エンテロなどの各種ウイルスによるものがある。ほかには、一般細菌・結核菌・ リケッチア、真菌、寄生虫の関与する免疫学的機序などによるものがある。原因となる病原体により治療や予後が異なるので、可能な限り病原体の診断を行う。髄膜炎に続発しておこることもある。

単純ヘルペス脳炎について

単純ヘルペスウイルスは初感染のあと、神経節などに潜伏しているが、なんらかのきっかけで再活性化がおき、脳内に達すると急性脳炎を発症すると考えられている。年間で人口100万人に1人程度、全国で約300~400 例の発生があり、男女比は3:2で、ウイルス性の脳炎の10~20%を占める。無治療の 場合は死亡率が高く、早期診断と治療が重要となる。前頭葉下面・側頭葉・島回などがおかされやすい。

単純ヘルペス脳炎の症状

発熱や項部硬直などの髄膜刺激症状で始まり、数日から数週間で急速に意識障害・精神神経症状・けいれんなどが出現する。側頭葉病変の症状として、失語などの言語障害や記憶障害をきたすことがある。

単純ヘルペス脳炎の検査・診断

脳脊髄液検査では圧の上昇、単核球主体の細胞数増多をみとめるが、糖は一般的に正常である。キサントクロミーや血性髄液がみられることもある。
頭部CTでは前頭葉や側頭葉に低吸収域がみとめられ、出血を伴うことがある。脳波では一側性に周期性同期放電がみとめられることがあるが、必ずしも特異的ではない。

単純ヘルペス脳炎の治療

脳炎が疑われる患者には、アシクロビル、ビダラビン(Ara-A)など抗ウイルス薬の点滴が行われる。以前は死亡率が非常に高かったが、最近は早期に抗ウイルス薬の治療が行われるようになったため、現在は10~30%程度と改善された。治癒した場合にも認知機能障害などの後遺症を残すことが多い。

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