多系統萎縮症の症状や検査を知り、治療方法を学ぼう!

多系統萎縮症について

脊髄小脳変性症の1つで、自律神経系・小脳系・錐体外路系と多系統の脳に病理学的変化がみとめられ、それに対応してパーキンソン症状・小脳症状・自律神経症状とさまざまな症状を呈し、進行性に悪化する疾患群である。本症はもともとは、小脳症状が前景にたつ孤発型のオリーブ橋小脳委縮症、パーキンソン症状が目立つ線条体黒質変性症、自律神経症状を呈する。
シャイードレーガー症候群とよばれていた3つの疾患の総称であった。しかし、これらは病変分布や病理学的所見に共通する部分が多く、同一の疾患とみなされるようになった。多くは孤発性で、遺伝性はない。原因は不明である。

多系統萎縮症の症状

筋固縮・動作緩慢・姿勢反射障害などのパーキンソン症状をはじめ運動失調・失調性歩行・構語障害などの小脳症状が中心となるもの、起立性低血圧・尿閉・排尿障害・頻尿、発汗障害、膀胱直腸障害などの自律神経症状が中心になるもの、およびそれらが組み合わさった症状を呈するものがある。声門開大障害によるいびき、睡眠中の無呼吸発作なども生じる。

多系統萎縮症の診断・検査

診断は、パーキンソン症状・小脳症状・自律神経症状の組み合わせによる。頭部MRIでは、小脳と脳幹の萎縮がみとめられる。また被殻の委縮や、T2強調画像で被殻外側に高信号域をみとめることがある。
睡眠時無呼吸の検査として、睡眠中の脳波および呼吸の状態を同時にモニターする睡眠ポリソムノグラフィー検査が行われる。

多系統萎縮症の治療・予後

原因は不明で、根治療法は現在のところなく、症状に応じた対症療法が中心となる。パーキンソン症状に対してはパーキンソン病治療薬が用いられるが、パーキンソン病におけるほどの効果は期待できない。起立性低血圧に対しては、塩分と水分の補充が行われ、血管を収縮させる薬剤(ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、ミドドリン塩酸塩など)や、循環血液量を増加させて血圧を上昇させる薬剤(フルドロコルチゾン酢酸エステルなど)が用いられる。
睡眠時無呼吸に対しては、持続的気道陽圧換気(CPAP)が用いられる。経過中の排尿障害や尿便失禁の管理も重要である。5年以内に車椅子生活、寝たきりになることが多く、発病からの全経過はおよそ4~7年とされる。肺炎や致死的不整脈、睡眠中の無呼吸発作、声門開大障害による気道閉塞などによる突然死がおこることもまれでない。

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