進行性筋ジストロフィーの症状と治療や検査方法を学ぼう!

進行性筋ジストロフィー(PMD)とは?

進行性筋ジストロフィーは、遺伝子の異常によって筋肉が変性と壊死を繰り返し、結合組織が増加して、進行性に四肢の筋力低下をきたす疾患の総称である。頻度は人口10万人に2~3人程度である。遺伝形式によって、いくつかの型の筋ジストロフィーに分類されている。
突然変異によるものもある。筋ジストロフィーのなかでは最も頻度が高く、人口10万人あたり13~39人の頻度で、男の新生児の3000~3500人に1人の割合で発症する。軽症のベッカー型筋ジストロフィーもジストロフィン遺伝子の異常によっておこり、X染色体劣性遺伝形式をとるが、ジストロフィンは完全ながらも生成される。デュシェンヌ型の1/10~1/5の頻度とされてる。

進行性筋ジストロフィーの症状

デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは生下時は正常であるが、2~4歳ころに転びやすい、走るのが遅い、などの症状で気づかれる。4~5歳ころから格筋の萎縮と筋力の低下が出現し、歩行障害が始まる。10歳前後に歩行不能となり、20~30歳前後で呼吸不全・心不全などで死亡する。

腓腹部(ふくらはぎ)は異常に肥大し(仮性肥大)、また筋力が低下するため、登攀性起立、動揺性歩行)もみられる。心筋もおかされるが、外眼筋・咽頭筋・膀胱括約筋はおかされない。ベッカー型筋ジストロフィーもデュシェンヌ型に臨床症状は似るが、発症は遅く(5~20 歳)、症状は軽度である。進行はゆるやかで、15歳をすぎても歩行は可能である。心筋障害もデュシェンヌ型に比較するとまれである。

進行性筋ジストロフィーの検査

血清クレアチンキナーゼ(CK または CPK)値が著明な高値を示す。筋生検では、筋肉の組織に活発な変性と再生を示唆する病的変化がみとめられる。肺電図検査でも筋原性変化がみられる。

進行性筋ジストロフィーの治療

どちらにも有効な治療法はなく、対症療法が中心となる。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、関節拘縮予防のための理学療法、補助装具の使用、人工呼吸器による管理、心不全の治療などが必要となる。
両親を含めて心身への支援が必要である。ベッカー型筋ジストロフィーの予後はデュシェンヌ型より良好であるが、心筋障害による伝導障害のためペースメーカーを挿入することがある。

その他の筋ジストロフィー

いくつかの型がある。
 肢帯型筋ジストロフィー
肩甲帯、腰帯に始まり、しだいに四肢近位筋に筋力低下が拡大する進行性の筋疾患をいう。常染色体性劣性遺伝、ときに優性遺伝を示す。発症年齢は小児から成人までさまざまであるが、20~30歳代で発 症する例が多い。いくつかの筋疾患の総称であり、臨床症状・進行の速さもさまざまである。一般に予後は比較的良好で、ゆるやかな臨床経過をとる。

 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
常染色体優性遺伝形式をとり、顔面筋・肩甲帯筋の筋萎縮と筋力低下、翼状肩甲を呈する筋ジストロフィーである。顔面筋の筋力低下のため閉眼が困難になり、ストローで吸えない。また肩甲帯 筋の筋力低下のため、上肢が挙上しにくい。小児から成人で発症し、進行はゆるやかである。予後は一般によい。第4染色体上に原因遺伝子が同定されている。
頻度は低いが、このほかに生下時から筋緊張低下や筋力低下、知能障害を伴って関節拘縮が徐々に進行する先天性筋ジストロフィーといわれる。一般に進行は比較的ゆるやかであるが、一部の予後良好なものを除き、呼吸筋障害を呈し、人工呼吸器による管理を要する場合がある。現在のところ、治療法はみいだされていない。

関連記事

  1. 運動麻痺の看護と観察(アセスメント)や看護目標を知ろう!

  2. 排尿障害の看護と観察(アセスメント)や看護目標を知ろう!

  3. 呼吸障害に対する看護と観察(アセスメント)や看護目標を知ろう!

  4. 脳炎の症状や検査を知り、治療方法を学ぼう!

  5. 多発性ニューロパチー(多発性神経炎)の症状や原因を知り、治療法を学ぼう!

  6. 神経原性筋萎縮と筋原性筋萎縮と廃用性筋委縮の違いとは?検査について学ぼう!

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。